| 私はスペイン料理店で働いたことがありません。 ですので「なぜスペイン料理なの?」と聞かれることがよくあります。 一番のきっかけは東京で働いていた際に訪れた「SANT PAU(サンパウ)」というレストランでした。そこで食べた料理はそれまで「スペイン料理といえばパエリヤ?」という程度の知識しかなかった私のスペイン料理に対するイメージを見事に覆してくれました。 それらの料理に対する印象は多岐にわたりますが、一言でまとめるなら 「フレンチの繊細さとイタリアンの素材を生かす特徴をあわせ持った料理」です。 それからスペイン料理について興味を持ち、約3ヶ月間スペインに滞在しました。 |
|
| 滞在場所は主にバルセロナ(スペインの北東に位置する)でそこを拠点に南へ北へと動きました。 その間、毎日ひたすら食べ歩きました。新しいレストランから年季の入ったバルまで。市場に通い片言のスペイン語で食材について質問して、その食材を小さな台所で調理したりもしました。 そこで知ったのはスペインの人は食べることを本当に楽しんでるということです。おいしいと思うものを食べ、それぞれにこだわりもあります。 きっと今のスペインのシェフ、特に若いシェフはその地盤があるからこそ料理に対する探究心が増すのではないかなとも思いました。 |
|
| 本場「SANT PAU」の三つ星シェフ、カルメ・ルスカジェーダさんとお話する機会がありました。 彼女のその日の料理には「ところてん」が使われており、「びっくりしました」と話したところ、 「おいしいと思うものはどんどん取り入れていきたい。素材も調理法も限定しないでいれば、可能性を広げていくことができるから」という旨を言ってくださいました。 その「ところてん」にしても「フュージョン」や「創作」というよりも「必然性」を感じました。そこにはこれじゃなきゃだめだ、という信念も一緒に感じた気がします。 |
|
| 私がスペイン料理を出させて頂くにあたっても、同じように素材や調理法を限定せずに「こんなのもスペイン料理だったんだ」と来て頂いたお客様に感じて頂けるような料理を目指したいと思っております。 食材に関しては何もかもスペイン産にするつもりはなく、地産地消を心掛けて地元、もしくは日本のものを使い、スペイン料理を作るつもりでおります。 「vale(ヴァレ)」の意味である「価値がある」という名に恥じないような店作りに励みますので、皆様にご愛顧頂ければ幸いです。 2007/4/20 店長 |